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プロカメラマンへの道 指南役/柳沢雅彦
VOL.2
遊びながらメシを食う方法
プロカメラマン志望者のための入門講座として、第一線の写真家みずからが熱く本音を語るシリーズ企画です。大好評のうちに連載1周年を迎え、2002年1月からは「~唯我独尊Q&A編」として装いも新たにスタートしました。詳しくはこちらのページをごらんください。
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はっきり言おう。「どうしたらプロカメラマンになれますか」と人に聞くのは「どうしたら毎日遊びながらメシを食えますか」と聞くに等しい。誰だって、そんなことを簡単に教えてくれるはずがない。だからこそ全国から私のもとに質問が集中するのだろう。しかし私は人にモノを教えて、その指導料で生計を立てる、いわゆるレッスンプロではない。
もしレッスンプロならば、指導のための時間を十分に割くこともできるだろうが、写真を作品として売ることを主な仕事としている写真家である以上、やはり自分の作品づくりに全力を注がなければならない。わざわざ飛行機で遠方から私のもとへやって来る人たちは、多忙を極める私の仕事ぶりを間近で眺め、目を回して帰っていくことも多い。
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「どうしたらプロカメラマンになれますか」という質問に対する回答を厄介にしているのは、質問する側の能力や意欲、さらには本人の置かれている状況が第3者にはまったくわからないことである。それらを曖昧なままにプロカメラマンへの道を見切り発車すると、とんでもないことになる。本人が苦しむばかりか、周囲にまで迷惑を及ぼす。だからプロを目指す人は最低限、次のことを自分なりに冷静に分析し、そのうえで夢を叶えるための方法を考えるべきだろう。
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1.「現在の写真の実力は?」
フォトコン入賞○回などという輝かしい実績もあるにこしたことはないが、なければないで全然かまわない。まったく写真について知らない人は、おのれの実力がゼロだと認識するだけでいい。要するに客観的に自分を見つめられるかどうかが一番重要なのだ。
2.「所有している機材は?」
学校の写真部に所属している、あるいは所属していた人だったら、それなりの機材を持っているだろう。でも何も持っていない人は、これから順次、買っていかなければならない。おカネのない人にとって最も大切なことは、とにかく余計なものを買わないことだ。
3.「将来、どんなプロカメラマンになりたいか?」
毎日カメラをもって歩きたいからプロになりたいという人もいるが、その程度の願いだったら、アマチュアの身分でも十分だ。はっきり「○○を撮りたいからプロになる」あるいは「○○さんのようなプロになりたい」でもいい。目標がないと途中でくじけてしまう。
4.「準備のためにかけられる予算は?」
いちおうプロカメラマンとして活動していくためには必要最低限の機材をそろえなければならない。どうやって自分の夢を叶えるための資金を集めるかも大きな課題だ。なりたいカメラマンによって、まったく必要なおカネは違う。「何を撮るか」それが問題である。
5.「目的を達成するために注ぎ込める情熱は?」
いろいろな挫折人生を見てきた。そのなかでも特に驚いたのは、異性の意志(というよりも厳密には、そのときの相手の気分によって)夢を捨てる人間の多さである。「恋人がやめろ…というからプロになるのを断念します」と言う本人らは、いたって真面目なのだ。
以上の5項目が明確にならない限り、プロカメラマンを目指すのはよしたほうがいい。
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