いい現像所の見分け方ですか。これまた、ひとことでは説明いたしかねます。例えば東京だったら、いとも簡単に調べられる方法があるのですが、福岡となるとどうでしょうか。
東京だったら、有名カメラマン御用達のプロラボなら、ほぼ間違いなく、いい現像所です。
「じゃあ早速、カメラマンに電話して聞いてみます」って。そりゃ、無理です。
そんなのは企業秘密ですから…。あかの他人に、そうやすやすと教えるはずがありません。
「どこだって同じだよ」
「プロラボだったら、いいんじゃない」。
プロ同士でも、よほど仲が良くないと、適当にあしらわれてしまいます。
じゃあ、どうやって調べるかって。それは現像所の人に直接聞くのです。
「おたくを利用している有名カメラマンって誰ですか?」ってね。
「そんなの知りません」といったら、さほど期待できないでしょう。あるいは「他のお客さんのことについてまでは、お教えいたしかねます」と丁寧に断ってきても怪しい。だって、カメラマンから自分のことを隠すように頼まれているとは思えないからです。
店頭にいる女の子と親しくなって聞き出す手もあります。
「ちょっと待っててくださいね。お得意様リスト持って来ますから…」瞳の大きな彼女は親切にも全部見せてくれました。私などは何せ新聞記者出身なので、情報収集ともなると、俄然やる気が出ます。
ここまでがウルトラCからD難度の見分け方でした。最後に地味ながらも確実性の高い見分け方を伝授いたします。これは日本全国、いや世界各国でチェックできる方法です。
それは何十色もの色鉛筆ケースを何本もの同じフィルムで写して、いろいろな現像所に同時に出すのです。
このテストさえやれば、現像所によって、いかに発色がバラバラか一目瞭然です。リバーサルだったら色の片寄りが明確に出ますし、プリントでも焼き方の上手、下手がはっきりします。
もちろん、それ以前の問題としてフィルムにキズがつけられたり、プリントにゴミらしきものが写っていたら失格です。
昔は、どこでもそれなりの品質が保たれていましたが、価格競争によって、想像もつかないほど店による品質格差が生まれました。もし白手袋もせず、素手でポジやネガをつかんでいる店員を見かけたら、すぐ帰りましょう。
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